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「ぼくを変えた離婚」~号泣したあの日から学んだこと~

2017/02/21 UPDATE
 
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葉桜の季節を迎える度に思い出す。

暖かくなった風が運んでくる春の匂いで、彼女と離婚について話し合ったあの日のことを。

いまでも毎年、胸が痛くなる時期だ。

交際期間が7年、そのうち同棲生活が6年10ヶ月。

長い付き合いを経て結婚したのに、たった1年の結婚生活で離婚してしまった。

しかも、その1年の結婚生活の半分は、離婚に向けての話し合いや別居生活の期間だった。

離婚しても、自分は何も変わらないと思っていたのに、いざ離婚してみると大きな喪失感に襲われてしまった。

順風満帆だった仕事にも大きな躓きがあった。

──こんなはずじゃなかった。
 
 
 
高校卒業後、進学のために上京した自分が、学費を稼ぐために選んだバイトで、4歳年上の彼女と出会った。

一度社会人を経験したという彼女は、自分よりずっとずっと大人に感じられて、派手なところはないけれど、誰にでも優しくておとなしい人。

こう言うと彼女は喜ばないと思うけれど、「お母さん」みたいな、そんな存在だった。

一人暮らしを始めたばかりの自分を、よく気にかけてくれて、付き合って彼女と一緒に暮らし始めるまでにそう時間はかからなかった。

学校とバイトの両立はなかなか大変だ。

バイトに時間を費やしていたため、同級生の付き合いはほとんどなく、この学生時代は彼女といる時間が圧倒的に長かった。

そんな学生時代を経て、社会人となった3年目の春、「彼女が30歳になる前に」という理由だけで結婚をした。
 
 

仕事は、順調だった。

初めて任された大きなプロジェクトに日々追われるも、充実感が疲れを上回り毎日が楽しかった。

仕事の楽しさと、学生時代には味わえなかった社会人としての「デビュー」がやってきて、既婚者にもかかわらず先輩から誘われる合コンにも参加するようになった。

毎晩、というより毎朝酔っ払って帰ってくる。

3時間ほど寝てから出社という生活を繰り返した。

若さと仕事への責任感でそんな生活は苦にならなかった。

仕事の充実感と遅まきながら「デビュー」してしまった自分。

ずっと一緒にいた彼女からすると、いつのまにか自分が知らない「男性」になっていくように見えたのだろう。

たまたま同じバイトに入ってきた世間知らずの僕を弟のように可愛がり、学生から社会人になるまでずっと近くで見てきたわけだから。

成人式のスーツを見立ててくれて、ネクタイの結び方も教えてもらった。

そんなこともあって、子どもだった自分を育てたという気持ちもあったんだと思う。
 
 
 
会社での新しい付き合いから、自分の行動が変わり、それを彼女はよく思わなかったようだ。

「いつのまにか、私の知らないあなたになっていたね」

お酒の飲み方や好みの食べ物、読む雑誌が変わり、ファッションの好みが変わる。

その都度、彼女が驚いてどうしたのと聞いてきた。

そんなふうに子ども扱いされることへの不満と、仕事で満たされた自信からか、彼女に対する気持ちが徐々にさめていく。

何度目かの、結論が出ないケンカの後に、離婚したいと思った。
 



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