骨を砕く作業なんて、それまで誰もやったことがないわけです。
いろいろ試して、結局園芸用の大きなレンガで砕くことになりました。
かなり大きな骨もありますし、レンガを振り下ろすたびに骨が悲鳴をあげているようで、ぽろぽろ涙が出てくる。
骨を砕く作業は時間もかかるんですよ。
1時間やっても、てのひらに乗るくらいにしかならない。
そうして1か月の間、朝も昼休みも放課後も黙々と作業しながら、こういう目に犬や猫を追い込んだのは人間である、そして、自分も人間の一人である、と思いめぐらせていった。
だから、彼女たちは、自分たちが立派なことをしていると思っていません。
どう考えても、人間の身勝手が、生きようと思えば生きられた命を、こんな目にあわせていると思っているからです。
まるで自分が殺してしまったかのように、ごめんね、ごめんね、と謝りながら、泣きながら骨を砕く。
取材していて、一番胸にこたえました。
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