アメリカのある野生動物愛護団体は、2014年から毎年 、『Fur for the Animals』というキャンペーンを実施し、毛皮製品の寄付を募ってきました。
このキャンペーンの開催には、二つの大きな目的があります。
ひとつは、何らかの事情で両親と一緒にいられない動物の赤ちゃんたちに対し、母親のようなぬくもりと安心感を与えることです。
団体の最高責任者であるアダム・ロバーツさんは語ります。
「キャンペーンを開始して以来、世界中からコートやスカーフ、帽子など数多くの毛皮製品が届けられています。
品物には、感謝の手紙が添えられていることも多いです」
親族などから動物の毛皮を受け取ったものの、動物の気持ちになると着る気がおきず、でも捨てることもできず・・・
そうした葛藤を抱えていた方にとって、このキャンペーンは心の救いとなっているようです。
「これは1972年頃に購入されたものです。
キツネの毛皮だと知り、着ることができませんでした。
ぜひ有効活用してください」
ふたつめの目的は、毛皮製品の需要と供給を減少させるべく、このキャンペーンを通じて社会に警鐘を鳴らすことです。
消費者が、少しずつでも「ファッションとしての毛皮」に関わりたくないと思うようになれば、キャンペーンは成功です。
だからこそ、我々は不買を喚起するだけではなく、すでに購入された毛皮についても「野生動物保護のために活用する」という解決策を提示しているのです。
団体のもとには、すでに800点の毛皮製品が集まりました。
金額に換算すればおよそ150万ドル。
そのために、少なくとも2万7000頭もの動物たちが命を奪われた計算となります。
このキャンペーンを通して、人々の自然愛護の意識が、より高まっていくことを期待したいですね。
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