二人がそこで見たものは、生れたばかりの10匹の子犬たちと弱りきった母犬の姿でした。
しかも、子犬のうちの1匹は、凍死寸前という危機的な状況でした。
子犬10匹と衰弱した母犬、そして、彼女らを救った捨て犬は、そろって保護施設に引き取られることになりました。
保護施設に着いてからも、まるで、10匹の子犬と母犬を守るかのように、決してそばを離れようとはしません。
保護施設の方からこの捨て犬は「ヒーロー」と名付けられました。
モナと名付けられたこの母犬とヒーローは、以前からよく一緒にいる姿を見られていました。
タラシャフスカさんたちも、もしかすると、彼らはカップルで、モナが妊娠している可能性もあるのでは、と考えていたそうです。
実際のところはわかりませんが、血が繋がっていようがいまいが、決死の覚悟で人間に助けを求め、1匹の子犬も死なせることなく母犬の危機をも救ったヒーローは、彼らの「父」だと言えるでしょう。
ヒーローの活躍で無事に保護された子犬たちは元気になりました。
タラシャフスカさんは
と言います。
そう考えてみると、最初、ヒーローが保護団体の人たちを見ると逃げていたのは、妊娠しているモナを守るのは自分だという使命感を持っていたからかもしれません。
もし、その段階でヒーローが保護されていたら…。
ヒーローは本当に賢い犬ですね。
「父」として、しっかりと11匹を守り抜いたヒーロー。
彼の男らしい行動に深く感動しました。
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