インフルエンザにかかっている人がくしゃみや咳で飛ばしたウイルスが、口や鼻から入り込んで上気道の粘膜に付着する…。
これがインフルエンザにかかる第一ステップです。
口の中に細菌がたくさんいると、実はそれらはインフルエンザウイルスのサポーターとなってしまうというのです。
細菌がウイルスに付いて、上気道の粘膜の中に押し込んで行ってしまいます。
そして、インフルエンザが発症するというメカニズムです。
言い換えれば…
口の中に細菌が少ないと、インフルエンザウイルスが粘膜に入り込むことがなくなる。
よって、細菌が口内に少ない人は、インフルエンザにかかりにくい!ということです。
じゃあ、「細菌を減らすには歯磨きをすればいいの?」
奥田教授曰く、「もちろん歯磨きやうがいは大切」!
しかし忘れてはいけないことは、「舌磨き」なのだそうです。
みなさんは毎日歯磨きはしているかと思いますが、実は口の中で歯の面積は25%ほど、舌などの歯以外の場所は75%。
ということで、歯磨きだけでは、しっかりと細菌を取り去ることはできないのです。
実際に、奥田教授は高齢者施設で調査を行いました。
「歯磨きだけ」をさせた高齢者と、「歯磨き 舌磨き」の両方をさせた高齢者の実験では、6ヵ月後、インフルエンザの発症率は、
「歯磨きだけ」の方は、92人中9人がインフルエンザにかかり、
「歯磨き 舌磨き」の方は、98人中1人しかインフルエンザにかからなかったのです。
これは驚きの結果ですね。
舌磨きがいかに大事なのかを物語っています。
舌の細菌をしっかり取ることができる「舌磨き」の方法を、佐藤歯科医院の理事長佐藤二三江先生が教えてくれました。
まず、「歯磨きついでに歯ブラシで舌を磨くことは避けるべき」だそうです。
舌には「味蕾(みらい)」という味を感じる細胞があります。
それは歯ブラシで磨くと、細胞が傷つき、味を感じられなくなるのだとか。
一番いい方法は、ガーゼを指サックのようにして巻き、それで舌磨きをすること。
その際は、奥から手前に磨いていきます。
舌の側面も裏面も忘れてはいけません。
また、歯茎や頬の裏側も一緒にやってしまうといいでしょう。
一番細菌が潜んでいる舌の奥もやりましょう。
ただ、舌の奥を磨くと、どうしても「オエッ」っとなってしまいがち。
それを防ぐことができるのは、鎖骨の間のくぼみを押しながらやればOK!
ドラッグストアなどで販売されている、舌磨き専用アイテムを使って「舌磨き」をすると、舌を傷つけずにキレイになります。
仕上げに、マウスウォッシュなど口の中を殺菌するものでうがいすると完璧です。
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