朝日新聞の「ひととき」が素敵
98歳のおばあさんがデパートで服を買うか買わないか悩んでいる文がすごく読みやすい。締めも素敵 http://t.co/6fxjpib94g
朝日新聞の「ひととき」が素敵
98歳のおばあさんがデパートで服を買うか買わないか悩んでいる文がすごく読みやすい。締めも素敵 http://t.co/6fxjpib94g
若い頃は大好きだったデパート巡りも、90代になってからは、買う物や欲しい物もなくなり、とんとしなくなった。
ある日、よんどころない用事ができて、福岡・天神のデパートに1人で出かけた。
久しぶりのデパートは華やかで、自分がお上りさんに思える。
早々に用事を済ませ、せっかく来たのだから目の保養にと店内を回っていたら、すてきな洋服が目についた。
しばらく眺めていると店員に「試着してご覧になりませんか」と言われ、こんなチャンスはめったにないと、試着室に入った。
着替えて姿見に映った私は、ドレスアップのせいか少々美人に見える。
私の心がささやいた。
「思い切って買いなさいよ。少々高価だけど、今日まで50年前のブラウスや、もらったセーターなどを着ていたんだもの、奮発したら」
もう1人の私が今度はささやく。
「買っても着る晴れの場所があるの? 残念ながら彼岸が近いのよ。形見に残してもありがたがる子もいないし、宝の持ち腐れになるだけよ」。
なるほどね。
結局どちらにしたのでしょう。
ふふふふ、ご想像にお任せしましょう。
(福岡県筑紫野市 後藤俊子 無職 98歳)
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