「あんたたちさぁ
山は歩けるのに電車では立てないの?
それっておかしくない?
遊んできたんだろ?
こっちはこれから仕事に行く
ところなんだよ。
だいたいさぁ
俺みたいなヤツが土曜日も働いて
あんたたちの年金を作って
やってるんだって分かってる?
俺があんたみたいなジジイに
なったら年金なんてもらえなくて
優雅に山登りなんてやって
いられないんだよ。
とにかく座りたかったら
シルバーシートに行けよ」
細部の表現は覚えていないながら
こんな感じ。
チャラチャラしているように見える若者の
意外な発言に正直言ってビックリ仰天した。
「お年寄りに席を譲りましょう」とか
「お年寄りを大切にしましょう」などという
キレイごとを聞いて育ってきた
世代の私にしても彼の言っていることは
正論に聞こえた。
あたしって壊れてきているのかな?
浮かせかかった腰を再び降ろしちゃったよ。
3人の高齢者は
凍りついたように黙りこくり
次の駅で降りていった。
ほかの車両に乗り換えたのかもしれない…
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