出典: i-concier.net
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私は、広島でバスの運転手をしています。
今年で3年目になりますが、まだまだ新米運転手です。
毎日バスに乗車勤務していると、色々な人との出逢いや様々な出来事が起こります。
それも、この仕事をやっている中での醍醐味と言えるのかもしれません。
しかし、その出来事の中にはやはり不快な気持ちになる出来事もたくさん起こります。
たとえば痴漢や席の譲り合いでの口論など、トラブルも付きものなのです。
そんな中、つい先日起きた出来事は私の短いバス運転手人生の中で一番印象的でした…。
優先席に、小さな赤ちゃんを抱っこしている母親が一人座っていました。
赤ちゃんは静かに寝ていたのですが、バスの振動で目が覚め泣き出してしまったのです。
すると、私の運転席のすぐ後ろにいた女子大生風の乗客が「チッ」っと舌打ち。
そのあまりにもワザとらしく大きな音に私もバックミラーで見る程でした。
赤ちゃんが泣き続ける中で、母親は申し訳なさそうにしていますが女子大生はさらに畳み掛けるかの様に「うっせーな」と。
他の乗客誰もがこの不穏な空気感に気付いている中、一人の男子高校生がこの空気を一刀両断する事になったのです。
バス内に大きく響き渡る赤ちゃんの鳴き声。
明らかに迷惑そうな顔を浮かべながら何度も舌打ちを繰り返す女子大生に、この母親も申し訳なさそうな顔で「すみません」と何度も頭を下げています。
なんとか泣き止まそうとあやすお母さんですが、思いと反して赤ちゃんはさらに大きな声で泣いてしまいます。
女子大生のあからさま過ぎる態度でバス内の雰囲気は最悪。
私がバックミラーを見る範囲と耳に入って来る音や声の様子だけでもその空気感は伝わってくる程でした。
そんな時。
学ランを着た男子高校生が女子大生に向かって痛烈な一言を投げかけたのです。
「あのー。その舌打ちのがよっぽどうるさいんですけど。
お姉さん達女性なのに、そんな汚い仕草や言葉を遣わない方がステキですよ。」
この一言に、女子大生は完全に黙り状態。
少し不服そうな表情を浮かべていましたが、その後舌打ちはしなくなりました。
他の乗客もこの男子高校生の度胸ある行動に尊敬の眼差しを送っていましたが、何よりもこの言葉で舌打ちが止み、赤ちゃんと母親が一番救われたのかもしれませんね。
あなたはこの男子高校生の行為、どう思いますか?
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優しい心を持っていても自分の体面を気にして、見て見ぬふりをする人が多いのではないでしょうか。
本当の優しさとは何か…考えさせられるお話です。
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