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全てはたった1%の可能性から始まった。あるサッカー少年のお話

2017/02/21 UPDATE
 
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一人の少年が進路希望欄に書いたのは
「ブラジル」だった。

ブラジルでプロサッカー選手になることが
少年の夢だった。

担任の先生は
激怒して職員室から追い出した。

サッカー部の先生には
「99%無理」と言われた。
 
 
少年は

「1%あるんですね?

 なら、僕はその1%にかけます。」

と答えた。
 
 
少年は、15歳でブラジルに旅立った。

ブラジルのユースチームで
こんなことがあった。

少年がサッカーの格好をしているだけで
周りの人間は彼を笑った。

サッカーが下手くそなのは
代名詞のように「日本人」だと言われた。

だが、その少年は
死に物狂いに練習を重ね
18歳でプロ契約を勝ち取った。

そして、少年はブラジルNo.1の
サッカー雑誌の表示を飾った。

そして、少年から青年なった彼は
日本に帰国することを決意した。
 
 
次なる夢は
日本をワールドカップに連れて行くこと。
 
 
93年に開幕したJリーグ。
 
 
青年は、時代の寵児となった。
 
 
Jリーグの初代MVPは
青年の名前が刻まれた。

彼は、こう思っていた。

思い切りサッカーをして
30歳過ぎたら頂点で引退しようと。

94年のアメリカ・ワールドカップ予選
エースとして参加した青年だったが
ドーハの悲劇と呼ばれる
ロスタイムの失点で
日本の初出場を逃した。

青年はその後、ワールドカップに
行くための何かを掴むため
日本人で初めて、セリエAに移籍した。
 
 
そして、98年の
フランス・ワールドカップ予選。
 
 
苦しみながら日本は
ワールドカップの出場を決めた。

気がつくと、彼は31歳になっていた。

彼のワールドカップ予選の総得点は
27になった。

だが、ワールドカップ本選の代表に
彼の名前は記されていなかった。
 
 
記者会見で、こう話した。

「日本代表としての誇りは
 向こう(フランス)に置いてきた。」
 
 
その年、チームから戦力外通告を受けた。
 
 
彼は、一人考えた。

「誰も、自分の知らないところへ行きたい」
 
 
そして、彼は
クロアチアに行くことを決めた。

練習初日、彼の眼に一人の選手が映った。

その動きを見て
「売り出し中の若手かな?」と思った。

しかし、その選手は
大ベテランの選手だった。

彼の名は、ゴラン・ユーリッチ。

クロアチアを代表する、名DFだ。

自分より年上の選手が、誰よりも懸命に
誰よりも誇らしくプレーしていた。

こんな質問をしてみた。

「どうして、そこまでやれるのか?」

ゴランは言った。

「サッカー選手とは
 年齢に関係なく
 常に成長するものだ。

 低落など存在しない。」

彼は思った。

「どこまでも、走り続けよう。」
 
 
2010年、彼はJリーグの最年長出場記録と
最年長得点記録を更新した。

ブラジル、日本
クロアチア、オーストラリア。

様々な国でプレーし続け
夢を与え続ける彼に
日本人は尊敬を込めて
彼を
「KING」
と読んだ。
 
 
彼の名前は、三浦知良。
 
 
日本サッカーのパイオニアの名だ。
 
 
ある雑誌の企画でゴラン・ユーリッチから
三浦知良に手紙が届けられた。

その中でゴランは、三浦知良に
1番言いたかったことがあったという。

「日本のマスコミなどには
 カズがフランスW杯に行かなかった理由を
 知らないけれど、その事実は聞いていた。

 カズは「監督に呼ばれなかっただけだ」
 と言っていたけど、その取り乱さない
 事態を真摯に受け入れる姿勢に感動したよ

 日本のW杯進出に大きく貢献したのは
 カズだっていうのにそれでもカズは
 派手に抗議することもなかったんだよな。

 男だよ。

 それでこそ偉大なプレイヤーってもんだ。

 ところでカズと俺はその後再び
 ノゴメット(サッカー)のおかげで
 再会することになる。

 今度はJリーグ。

 俺は横浜F・マリノス
 カズは京都にいたんだよな。

 アウェーの京都戦では3-1で勝ったけど
 1点を決めたのはカズだった。

 カズ、これだけは言わせてくれ。

 俺は日本に行ってはじめて
 カズという名前が何を意味するのか
 カズとはいったい
 何者なのかがわかったんだ。」
  
 
引用元:涙が止まらない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

心から尊敬します。

今、様々な分野で多くの日本人が
海外で活躍できるのも
パイオニアの皆さんがいたからです。

彼らは私たちの誇りです。



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