「ちょwww他人www
他人に命令wwwありえねwww
日本語通じるとかwww
それおめえだしwwwどんだけwww
やマジ意味わかんねえしwww
てかマジどちらさまだしwwww」
箸が転んでも可笑しいお年頃のギャルたちはおよそこんな感じでとにかく大ウケ。
女性の表情がみるみる般若のように変わり、私からギャルたちにロックオン対象変更。
顔を引き攣らせながらギャルを睨みつけると吐き捨てるように一言、
「下っ品な…親の顔が見てみたいわ」
どの面下げて親とか言ってんだよと私もさすがに頭にきて
「あなたねえ!」と言いかけると Aちゃんが私を軽く手で制した。
その後の彼女たちがかっこよすぎて痺れた。
Aちゃん
「確かにうちらチャラいけど、うちの親はウチ(=私)が寒いとか文句言ってても寒いのはみんな一緒だからお年寄りとかウチより辛いんだから我慢しろって言うわけ。ズルとかしないの。絶対。親がそんなだからウチはあんたのことありえないっつってんの。」
Bちゃん
「うちの親、ウチが人にもの頼んで頭も下げなかったらマジ100%ぶん殴るけどね 。ウチのこと。顔見たがるのは勝手だけどあんたも超怒られるよマジで」
女性は顔真っ赤にして眼球が飛び出るんじゃないかと思うような壮絶な表情で
メモくしゃくしゃに丸めてギャルたちに投げつけてガツガツと去って行った。
ギャルたちは自分たちのことそっちのけで女性に向かって
「てめぇお姉さん(私のこと)に謝ってけよ!」
と怒ってくれた(女性は無視して行ってしまったが)。
私のせいでイヤな思いさせちゃってごめんなさいね、と彼女たちに謝ると
Aちゃん
「え、お姉さん被害者なのに謝るとか意味わかんないし!」
Bちゃん
「てかマジ頭おかしいすよねーあのババァ。気にすることないと思う」
と逆に口々に励まされてしまった。
彼女たちの後ろに並んでいたおばさま方も
「あなたたちやるわねえ!」
「いい親御さんなのねー」
「でももっと女の子らしく喋りなさい。
てめえなんで言っちゃダメ!」
などと話しかけ彼女たちは照れくさそうに笑っていた。
~ここからは余談~
彼女たちが「小腹減った」「ケーキやばい超うまそう」だけど 「新歓とかあるし金ヤバめ」なため「じゃあ今日は我慢だね」と話しているのを小耳に挟んだので御馳走させていただくことにした。
自分の順番が回ってきたとき小声で「あの、後ろのお二人にケーキを…」とオーダーすると 店員さんは一瞬怪訝そうな顔をしていたがそこに別の店員さんが登場。
彼は一連の騒動の時に外の清掃をしていた人で、レジの店員さんに事情を伝えてくれたらしい。
レジの店員さんは「あーなるほど」という表情に変わり「かしこまりました」とオーダーを受けてくれた。
ギャルたちのトレーにケーキが運ばれ
「え、頼んでないですけど?」
と戸惑う彼女たちに店員さんがニヤリと笑って私を指し
「あちらのお客様からでございます」と伝えた。
彼女たちはこちらが恐縮するほどあたふたして、Aちゃんは「何で?何で?」と繰り返し、Bちゃんは「払いますっ」と言うが早いかバッグの中を大慌てで漁り始めた。
私「だってさっき助けてもらったんだからこれくらいのお礼はさせてもらわないと」
Aちゃん「お礼とかほんといいですから!」
Bちゃん「うちらそんなつもりでアレしたんじゃないんで!」
私「それはわかってるのよ?でも…」
押し問答になりそうだったところさっきのおばさま方が
「あなたたち、社会に出たら年上の人には御馳走してもらうのも礼儀のひとつよ」
「そうよー、ここはいただいちゃいなさいよ!」
と援護射撃をしてくれてさっきのやりとりを見ていたらしい
店内のお客さんから小さな拍手なんかも起こって彼女たちはようやく承服してくれた。
「ありがとうございます!」と言われたので
「そんな、こちらこそありがとうございました」
と言って店を出た。
なんかもう本当にいい子たちだった。
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