世の中は沢山のいいね!があふれてる。

”甲本ヒロトさん”が”忌野清志郎さん”の告別式で贈った伝説の弔辞全文「あなたとの思い出に、ろくなものはございません」

2017/02/21 UPDATE
 
99,365 views



忌野清志郎さんは2009年5月2日に亡くなりました。

その1週間後の9日に行なわれた告別式で、元ブルーハーツ(現クロマニヨンズ)の甲本ヒロトが読み上げた弔辞を紹介します。

ロック葬と名付けられたその葬式にふさわしい内容で、鳥肌が立ちます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

甲本ヒロト「最高のロックンロールをありがとう」


キヨシロー。

えー、清志郎、あなたとの思い出に、ろくなものはございません。

突然呼び出して、知らない歌を歌わせたり、なんだか吹きにくいキーのハーモニカを吹かせてみたり。

レコーディングの作業中には、トンチンカンなアドバイスばっかり連発するもんで、レコーディングが滞り、そのたびにわれわれは、聞こえないふりをするのが必死でした。

でも、今思えば、ぜんぶ冗談だったんだよな。

今日も、「キヨシローどんな格好してた?」って知り合いに聞いたら、「ステージ衣装のままで寝転がってたよ」って言うもんだから、「そうか、じゃあ俺も革ジャン着ていくか」と思って着たら、なんか浮いてるし。

清志郎の真似をすれば浮くのは当然で、でもあなたは、ステージの上はすごく似合ってたよ。

ステージの上の人だったんだな。

一番最近会ったのは、去年の11月。

The Whoの来日公演で、武道館の。

そのとき、あなたは客席の人でした。ステージの上の清志郎じゃなくて、客席の人でした。

たくさんの人が清志郎に憧れるように、あなたはロックンロールに憧れていました。僕もそうです。

そんな、いち観客どうしの共感を感じ、とても身近に感じた直後、あなたはポケットから何かを出されて。

それは、業界のコネをフルに活かした戦利品、とでも言いましょうか、ピート・タウンゼントの使用するギターのピックでした。

ちっともあなたは、観客席のひとりじゃなかった。

僕があまりにもうらやましそうにしているので、2枚あった、そのうちのひとつを、僕にくれました。

(ポケットの中を探る)

こっちじゃねえや…これだ。

ピート・タウンゼントが使ってたピックです。

これはもう返さなくていいね。納めます。

ありがとう。




コメント

0
コメントを投稿する

※ URLを入力すると、リンクや画像に自動的に変換されます。
※ 不適切と判断させていただいた投稿は削除させていただきます。

あなたにオススメの記事

よく一緒に見られている関連記事

関連する記事

世の中には、こんなにたくさんの『いいね!』があふれている。

PICKUP

ピックアップ

Ranking

ランキング

人気のキーワード

いま話題のキーワード

おすすめ