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ジミー大西さんが大成した裏には…切ない初恋のエピソードがあった。

2017/02/21 UPDATE
 
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九月十六日の朝のことでした。先生が、

「実は悲しいお知らせがあります。

昨日、まきさんは病気のため、おなくなりになりました。

みんな、目をとじて」

と言うのです。

僕は、何の意味かわかりませんでした。

先生に聞いたら、先生は、

「まきさんは死んでしまったのです」

と言うのです。

僕は生まれてから、この時まで、知っている人が死ぬことがなかったので、人が死んでも、また会えるとばかり思ってました。

みんなでおそう式に行くことになって、教室に集まっていると、まきさんが教室の外のろうかのところに立って、僕を見て笑っているのです。

僕が、「まきさん。まきさん」とさけぶと、みんなから、「きもちわるー」と言われました。

おそらく、ゆうれいを見たのは、あの時が最初で最後だと思います。

それから、みんなとそう式に行きました。

それまで、そう式と言えばタダでおかしをもらえるところだとばっかり思っていました。

でも、まきさんのそう式では、おかしをもらってもうれしくなかったし、食べようと思ってものどに通らない。

--まだ、会えるような気がしてたまらなかったのです。

そして次の日、学校に行くと、まきさんのつくえの上に花がかざってありました。

僕はみんなが帰ってから、一人だけのこって、まきさんのつくえにすわり、まきさんが国語のノートに、

「花いちもんめ、大西君がほしい」

と、書いていてくれたことを思い出してました。

そして次の日から、だれよりも早く教室に行って、花の水をかえて、いちど家に帰って、それからみんなといっしょに登校することを始めました。

僕はその日から、そのことがバレるのがこわくて、みんなにむりしてでもしゃべりかけるようになりました。

それで、人としゃべれるようになったのです。

毎日、毎日、花の水をかえていました。

花がかれかかったら、自転単に乗ってしぎ山の下まで行って、ざっそうの色のきれいなのを三本ほど抜いて、かびんに入れてやりました。

クラスのみんなは、

「花がかってにふえている」

とか言うので、もしバレたらどうしようと思っていました。

そうしたら、先生が、

「みんなが帰ったあと、先生が花をいけているのです」

と言ってくれたのでホッとしました。

そしてクリスマスイブの日、先生にしょく員室によばれて、

「大西君がまきさんの花をいけていることは、だいぶん前からわかっていたのよ」

と言われたんです。

僕は、はずかしくてたまりませんでした。

先生は、

「この二学期で、つくえの上に花をかざるのはやめて、せきがえをしようと思っているの。いい? 大西君」

と言いました。

僕は、首を、たてにふりました。

二学期最後のせきがえをしたら、前にまきさんが使っていたつくえに、ぐうぜん、僕がすわることになりました。

つくえの中を見ると、奥のほうにハンカチが残っていました。

おそらく、まきさんのハンカチだと思います。

僕はそのハンカチを、小学校をそつぎょうする時まで、ずーっと持ってました。

これが、僕の初恋でした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

初恋の人を亡くし悲しみに暮れていた
当時のジミー大西さんに対する
先生の粋な計らい…

とても切ない結末ですが
当時内気だったジミー大西さんが
人前で話せるようになったのは
紛れもなくまきさんのおかげですよね。

もしもまきさんと出会わなければ
私たちは芸人、そして画家として
大成したジミー大西さんの姿を
見る事はなかったかもしれません。

今後もジミー大西さんの活躍に
注目したいですね!



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