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たった6歳の息子に”ガン”を告知。後悔の念に苛まれるママに余命わずかな息子が言ったこととは…

2017/02/21 UPDATE
 
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画像元:otakei.otakuma.net



「残念ながら

 がん細胞が骨髄まで入り込んでおり

 余命は早くて年内かもしれません」
 
 
シングルマザーとして育ててきた

6歳9か月の我が子「重信」の病状について

担当の先生から残にもそう告げられたのは

1993年秋のことでした。
 
 
1か月後、小さな身体への

抗がん剤投与が始まりました。
 
 
重信は痛みに耐えかね、治療の拒否

看護師への挑発的な態度を続けます。
 
 
ある日、彼は私に訴えたのです。
 
 
「ママ、本当の僕の病気はなに?

 注射とか薬とかものすごく辛いんだ。

 なんでこんな思いしないといけないの?」
 
 
必死に尋ねる彼に

これ以上事実を隠し通すことは

できませんでした。
 
 
「よく聞いて。

 シゲくんの病気はがんといって

 とても怖い病気なの。
 
 
 ママも先生も、治ってもらいたいから

 注射したりお薬を飲ませてるの。
 
 
 シゲくんに生きてほしいもの」
 
 
咄嗟の判断でそう口にしていました。
 
 
彼は大きなショックを受け

しばらく泣きじゃくった後

落ち着きを取り戻し、こう言ったのです。
 
 
「ママ、ぼくがんばる。

 絶対に死なないもん!

 教えてくれてありがとう」
 
 
告知した罪悪感が私を苦しめました。
 
 
辛い検査で、つんざくような

悲鳴と泣き声を耳にし

親として代わってやることのできない無力感。
 
 
けれど、その私を励ましてくれたのが

7歳になったばかりの

ほかならぬ我が子でした。
 
 
ぐったりとベッドに横たわる彼を見て泣く私に

「ママでなくてよかったよ」と言うのです。
 
 
点滴に繋がれた手を伸ばし

私の頭をなでながら。
 
 
辛抱の大切さ、労わり…

私のほうが彼に教わることがたくさんありました。
 
 
私は仕事を調整し

一緒に過ごす時間を増やしました。
 
 
仕事でへとへとになって見舞う私に

自分のベッドで仮眠を取らせてくれたり

親子の密度の濃い時間が流れていきました。
 
 
一時期は順調な回復を見せた重信でしたが

残念ながら一年後に再発。
 
 
病状は日に日に深刻になっていきました。
 
 
「またママに会いたいなあ。

 ぼく、ママのことが

 心配で死にたくないんだ」
 
 
残された時間の中で

彼が語った言葉は

いまも心に残っています。
 
 
それから少したって最期の夜は

病室で添い寝を許され

重信は私の腕の中で

8年の短い生涯を終えました。
 
 
2000年、重信との闘病の日々を綴った

「ママでなくてよかったよ」を上梓しました

たった6歳の子供への告知。
 
 
いまでこそ一般的ですが

1993年当時では考えられないことでした。
 
 
このことはメディアでも大きく取り上げられ

「小さな子に残酷だ!」

など多くの非難を受けました。
 
 
私は社会に一石を投じてしまったのです。
 
 
告知は、してもしなくても

悔いが残ることだと思います。
 
 
告知は本来、医師、患者、家族の三者が

立ち会って行われるべきものだといいます

私は一人で彼に

がんであることを告げてしまいました。
 
 
正しい在り方を知っていれば

違った方法を取ったかもしれないと

今は思います。
 
 
写真を整理していて

気づいたことがあります。
 
 
告知の前と後で重信の表情が

まるで違っているのです。
 
 
告知前は不安で視点が定まっていない表情。
 
 
告知後はすべてを見通しているかのような

腰の据わった表情。
 
 
肉眼では分からなかった表情の変化を

私のカメラは捉えていたのです。
 
 
私は、告知はするかしないかではなく

いかに行われるべきかが大事だと思います
 
 
患者さんとお医者さんの信頼関係が

築かれた上での告知であれば

たとえ小さな子供であっても

大きな励ましになります。
 
 
私たちは残された時間の中で悔いなく

楽しい思い出をたくさん共につくることが

できたのですから。
 
 
★3分で読める『致知』の感動する話★
「ママでなくてよかったよ」~病と闘う子と母の物語~
(「しげくんネット」代表・森下純子)より
出典元:致知出版社

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私は母親の告知は
間違っていなかったと思います。

自分に残された時間が
わずかであることを悟ってからの
母親への気遣いは
覚悟ができたからこそだと思います。

つらい闘病の日々の中
わずかでも心安らかに過ごした
親子の幸せなひとときを胸に
彼は旅立って行った事でしょう。



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