小さな女の子がお皿の上のチーズバーガーにキスをするだけのなんということもない写真。
しかし、この写真が撮られたいきさつがFacebookに投稿され感動の嵐を呼んでいます。
とあるハンバーガーレストランでおこった小さな奇跡のお話です。
これはアメリカのダイニングチェーン「チリーズ・グリル&バー」の公式Facebookページに投稿されたものです。
私の夫、私、そして自閉症をもつ7歳の娘が、チリーズ・グリル&バーのミッドヴェール店で経験したことをシェアさせてください。
私の娘のアリアナはウェイトレスのローレンがテーブルにやってくると即注文をはじめました。
ローレンがドリンクの注文を取る間もなく、アリアナは、ピクルス入りのチーズバーガーとフライドポテトとチョコレートミルクを注文しました。
ローレンは笑って「わかったわ!チョコレートミルクを持ってすぐ戻るから!」と言ってくれました。
やがて食べ物が来ました。しかし、アリアナはチーズバーガーに手をつけず、ポテトばかり食べていました。
「チーズバーガーは食べないの?」と聞くとアリアナは「ほしくないの」といいました。
チーズバーガーは彼女の大好物のはずなのです。これはとても奇妙なことでした。
だから「どうしてほしくないの?」と聞きました。
彼女は答えました。「壊れてるから。ちゃんとしたのが欲しい」ようやく訳が分かってきました。
ハンバーガーが半分に切られていたからなのです。
彼女は自閉症のため、どんな物事も決まった手順で行わなければいけません。
ほんの小さな変更でも彼女は混乱し、ルーチンを崩してしまうのです。
ウェイトレスのローレンが伝票を持って戻ってきたとき、もう一つチーズバーガーを注文できるかどうか尋ねました。
ローレンは困惑していたので、アリアナは自閉症で、半分に切ったチーズバーガーは壊れているから食べられない、と説明しました。
そして、ばかげたことに聞こえると思うけどと謝罪し、もう一つ追加の分は普通に伝票に加算してほしい、なぜなら最初のチーズバーガーには何も問題はないのだからと伝えました。
ローレンはアリアナに笑いかけ「壊れたチーズバーガーを持ってきちゃったかしら。いま新しいのを持ってくるからね」と言ってくれました。
ただ黙って皿を下げるのではなく、アリアナに伝えてくれたのはうれしかったです。おかげでアリアナが混乱せずに済みました。
マネージャーのブラッドレーさんもやってきて膝をつき「壊れたチーズバーガーを持って行ってしまったと聞きました。大変申し訳ありません。壊れていないものをピクルス入りでお持ちいたします。お待ちの間に食べられるようフライドポテトも持ってきます。よろしいですか?」とアリアナに言ってくれました。
それから数分でローレンがチーズバーガー第2号を持って戻ってきました。
アリアナは「ふぁりがとう!(訳注:FANK YOUと表記)チーズバーガーを直してくれたのね!」と言いました。
ローレンが去るとアリアナは、しばらくチーズバーガーを見ていました。
何か深く考えているようにじっと眺めて、そして突然大声で「会いたかったわ!」と叫び、チーズバーガーに何度もキスを繰り返したのです。
ローレンにこの写真を見せ「ちょっとチーズバーガーを持ち上げすぎだわね」といいました。
彼女は大笑いして、マネージャーにも見せていいかと聞いてきました。
そしてまたしばらくしてから戻ってきて、キッチンのみんなは大喜びだったといいました。
私はとても感動しました。「自閉症の子は騒がしいから」と、いろいろなお店で断られたことがあるからです。
こんな扱いを受けたのは初めてでした。
きっとウェイトレスさんからコックの人まで、大したことをしたとは誰も思っていないでしょう。
でもこの人たちは私たちを救ったのです。
もし、チーズバーガーが半分に切られたままだったら、その日は一日もう何もできなかったでしょう。
ミッドヴェール店の人たちは、まさにプロフェッショナルでした。
アリアナのしたことが、店員さんの一日を明るくしたのであればいいのですけれども。ありがとうございました。
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本当に小さなことが誰かの大きな助けになることがある、自分の持ち場をしっかり守るということの大切さがわかる出来事でした。
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