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ディズニーランドで働いていた、あるキャストのお話

2017/02/21 UPDATE
 
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学生時代から長い時間を
ディズニーランドで過ごしてきました。

仕事とは何か?

働く喜びとは何か?
 
 
ディズニーランドはいろんなことを
私に教えてくれました。

そして。

ディズニーランドでの仕事も
今日が本当の最終日。
 
 
三日前に思い出の詰まった
アトラクションでの最後の勤務を終えて
今までお世話になった
コスチュームやロッカーの鍵の返却
退職手続きを済ませました。

これで本当にすべて終わりです。
 
 
一通りの手続きを終えて
お世話になった人たちにも
お礼を済ませることができました。
 
 
やっぱり辞めたくない!
 

ここでいつまでも働いていたい!
 

一度はスッキリ整理させたはずなのに
未練の気持ちが込み上げてきます。

でも、これからの
新しいステージへのスタートなんだと
自分自身に言い聞かせ
従業員出入り口の方へ向かいました。
 
 
働いていたときはそれ程
気にしていなかったバックステージの風景。

でも、今日で最後だと思うと
事務所の廊下でさえも
愛おしく思えてくるから不思議です。
 
 
今までこの場所であった
数々の思い出に浸りながら
ゆっくりと歩いていました。
 
 
ディズニーランドが
好きで好きでたまらなくて
週末はほとんどディズニーランドで
通いつめていました。

そして、その度ごとに
キャストの与える感動を体感して
私もゲストの皆さんに
私の体感した感動の数々を
プレゼントしたくてキャストに応募しました。

キャストに採用された時の喜びは
今まで一番大きいものの一つです。
 
 
元々おっちょこちょいの私は
なかなか仕事を身につけることができず
自己嫌悪に陥っていましたが
先輩キャストの励ましもたくさん受け取って
なんとか続けることができました。
 
 
初めてゲストから
「ありがとう!」という言葉のプレゼントを
いただいた時にキャストを続けてきて
よかったと心底思いました。
 
 
本当にいろんなことがありました。
 
  
パンッ!!
 
 
背後から、誰かに肩を叩かれました。
 
 
えっ?
 
 
突然のことにビックリして振り向くと
笑顔のミッキーとミニーが
両手を口にあてながら
いたずらっぽい仕草で立っています。
 
 
きっと、寂しそうな後ろ姿を見つけて
元気づけてくれようとしたのでしょう。
 
 
ミッキーやミニーたちは
バックステージにいても
常にミッキーとミニー。

いつも私たちキャストを気遣い
パレードやショーで
踊り疲れているであろう時も
こうして私たちを元気づけてくれます。

そんな彼らの気持ちが伝わり
気遣ってくれたことにうれしくなった私は
二人にお礼を言いました。
 
 
「ミッキー、ミニー。

 今までありがとう。
 
 実は今日で私、ここ、最後なんだぁ。
 
 でもね、ホントにここで働けてよかった。
 
 ここでの数年間は
 わたしにとっての宝物だよ。
 
 本当にありがとうね。
 
 それで…。

 最後にお願いが一つあるんだけど
 聞いてくれる?」
 
 
ミッキーとミニーが二人とも同時に
首を大きく縦に振ってくれました。
 
 
「最後にもう一度だけ
 握手してもらっていいかなぁ…」
 
 
恥ずかしそうに言った私のお願いを
全身で喜びを表現しながら
聞いてくれた二人は
すぐに私の両手を持って
強く握手をしてくれました。
 
 
うれしくて涙が出そうになるのを
必死に我慢していると
ミッキーがジェスチャーで
 
 
「ちょっとだけ、ここで待っていて」
 
 
と伝えました。
 
 
「えっ、ここで?待っててこと?」
 
 
うんうんと大きくうなづくと
ミッキーは建物の中に消えていきました。

なんだろうと思いながら
横で手を握ってくれている
ミニーと待っていると
ミッキーが走ってきました。

その後ろには
ドナルド、グーフィー、プルート…。

ビックリする私の周りを
5人のキャラクターが囲み
ギューッと一人ずつハグをしてくれました。

言葉を話さないキャラクターたちはですが
ハグをしてくれて瞬間
 
 
「今までお疲れ様
 これからもかんばってね!!」
 
 
と言ってくれているように私は感じて
気がつくと抑えていた涙があふれて…
言葉になりませんでした。
 
 
そのままミッキーとミニーに
手をつないでもらい
両手に彼らの温かさを感じながら
出口の方へ歩いて行きました。

建物の曲がり角で、彼らに別れを告げて
「バイバーイ」と大きく手を振ると
5人も大きく手を振り返してくれました。
 
 
私はディズニーを離れますが
ディズニーで教わったこと
もらったことをいつまでも
私の心に刻まれていると思います。
 
 
そして、私なりのディズニーマジックを
周りの人にかけていけたらと思います。
 
 
最後の最後で
またも最高のディズニーマジックを
体験することができたのですから。
 
 
ありがとう、ミッキー&ミニー。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

相手の思いに寄り添って行動する。

彼らはゲストに
夢のサービスを提供し続けています。

だからこそ
キャストの新たな旅立ちには
夢のおもてなしで送ってあげる。

それが彼らには
当たり前なことなんだと思います。

こうした夢の送り出しがあるからこそ
ディズニーの卒業生は
新たなステージでも夢のサービスを
提供することができるのでしょう。

この話が少しでも
あなたの役に立てれば幸いです。




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