電車の座席はほぼ埋まり
車内には立っている人がちらほらいる程度
私の向かい側座席の前には男性1人
女性2人のハイキング帰りらしい高齢者が
立っていた。
彼らの目の前の座席には
若者2人と50代ぐらいの女性1人が
座っている。
若者は2人とも茶髪
1人はサングラスをしていた。
この人たちに気づいたのは
この高齢者組の男性が
「最近の若い者は年寄りを
立たせても平気なんだから」
「ちょっと前は罪悪感からか
寝たふりをしたもんだが
最近じゃ寝たフリもしない
からふてぶてしい」
などと、かなり大きな声で話しているのが
耳に入ってきたからだ。
どうも自分の前にいる若者に
席を譲らせて女性2人を座らせたかったらしい。
ここまで嫌味っぽく言われると
まったく関係ない第三者の私だって
ちょっと気分が悪い。
すっかり眠気が覚めてしまった。
反対側にいる私が席を譲れば
もう1人ぐらい誰か立ってくれるだろうと
思って腰を浮かせかかった瞬間
サングラスの若者が口を開いた。
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