ショーンさんへ
一連の報道を非常に複雑な心境で見ていました。
彼について話をするのは、いつもお世話になっている読売テレビの『上沼・高田のクギズケ!』の収録が最初、と決めていたので、その収録を終えましたので書かせていただきます。
ショーンKさん。
まず「テレビコメンテーター・ショーンK」が誕生したいきさつだけお話しします。
あまり報じられていないですもんね。
私が11年間ほど勤めてきた「とくダネ!」を一時離れ、アメリカニューヨークに赴任したのが2010年の9月のことでした。
とくダネ!」のスタッフたちは、私の日本での露出を考えて「とくダネ!」内でのニューヨーク中継コーナーを作ってくれることになりました。このコーナーは毎週金曜日に放送されることになり、大人気となりました。
今でも現地の西橋ディレクターが担当してくれていますね。毎週金曜日。9時ごろからやっていると思います。
その当時、曜日のチーフディレクターを務めてくれていた私の先輩のAさんが「アメリカの事情にも精通しているので」と声をかけたのが…当時のJーWAVEで人気DJだったショーンKさんでした。
低くダンディーな声。
どう見ても女性受けするルックス。
何より、その当時ですでに10年以上担当していたラジオ番組で鍛えられた喋りのうまさ。
テレビのコメンテーターとしては最適の人物でした。ショーンさんは私が中継を行う金曜日の「とくダネ!」のコメンテーターを務めてくれました。それが彼のテレビデビューです。2010年の末だったと記憶しています。
色々と言われていますが、英語の実力は本物です。
ある時、生放送だったために、あってはいけないことですが、VTR中のアメリカ人のインタビューにスーパーがのらないことがありました。
そのアメリカ人の英語は「スラング」と言って…ちょっと現地での言葉と言うか…あまりキレイな英語じゃないというか…とにかく日本で英語を勉強している程度の方ではうまくニュアンスが伝わらない内容でした。
VTRが終わり、内容を知っていた私はフォローをしようとしました。しかし、それよりも先にショーンさんがスタジオで
「ちょっとスーパーが出なかったところですが…彼は○○と言っていました。それも納得できる意見ですよね」
と優しくフォローしてくれました。
私がフジテレビと色々あって会社を飛び出し、退社直後からまた色々とあって…でも、そんな退社して1か月もたたない2013年の4月。
まだ世間がザワザワしていた時期でした。
世間が私に対して腫物を扱うような…そんな時期に、私が退社後初めて飲みに行った人物がショーンKさんです。
今でも忘れられません。
「長谷川さん、毎週の中継を見てよく分かっています。あなたの喋りは本物です。あなたがアナウンサーである以上、堂々としていれば、絶対に大丈夫です。実力は裏切りませんよ」
ショーンさんは優しく微笑みながらそう声をかけてくれました。
成功した人間に寄って来る人間はいくらでもいます。でも、あの段階でフジテレビは今とは違い大変な影響力のある会社でした。そのフジテレビの一部上層部とケンカ状態にあった私に、常識的には成功は予想しにくいものでした。
事実、私自身、仕事など来ないと信じ切っていました。
しかし、実際は真逆でした。
驚くほど仕事に恵まれどんどん忙しくなりました。
時間が合い、去年飲みに行ったときは、今度はショーンさんが「報道ステーション」に決まった話を聞き、祝杯をあげました。
私は「ショーンさんなら絶対に大人気になる!」と太鼓判を押しました。その時もショーンさんは
「長谷川さんのブログはとても面白いです。冷や冷やしながら見ていますが、こんなブログもあるんだ、というスタイルを確立できていると思います」
と褒めてくれました。
ショーンさん。
一部報道で、あなたがずいぶん憔悴してしまっているという話を聞きました。とても心配しています。
Facebookを閉じられてしまったので直接連絡を取れない以上、届くと信じ、あなたが評価してくれたこのブログにメッセージを書きます。
私たちは、少なくとも、あなたがMBAを持っているからコメンテーターに起用したんじゃない。そんなの、どっちでもよかった。
あなたがアメリカの大学だろうがどこの学校だろうが、そんな「肩書」でテレビに出てもらったんじゃない。
あなたが「かっこよくて」「しゃべりがうまくて」「奥様受けしそう」だったから起用したんです。
それは確かです。肩書なんて気にしたこともなかった。
誤った情報がHP上に残ってしまっていたことを非難されたのであれば、「報道番組」を降板するのは理解できました。正しい自身への処罰だと思います。
私も迷惑をかけた以上、フジテレビに残ってお給料をもらうのは間違っていると判断しました。今でもその判断が正しかったと思っています。
でも、今でも思うのですが…あなたがテレビのコメンテーターをする前から続けてきた「ラジオ番組」を降板する必要ってあったでしょうか?
あなたのラジオ番組を楽しみに聞いていたリスナーのみんなはそれって納得してるんでしょうか?
世間はバカにするでしょうし、池に落ちたあなたを笑いものにするでしょう。日本人、本当に大好きですからね。そういうの。僕もいまだに笑われてますよ(笑)。
笑われていきましょう。
「こういう存在」も世間の潤いに必要です。
ただ、確かな結果だけを書きますけれど…私はあなたの言った通り「大丈夫」でした。
4月からまた仕事が増えるようです。そういう意味では…あなたの先を見通す目は確かなんじゃないかな。
いつでもかまいません。またこっそりあの五反田のお店に行きましょう。肩書がどうとか関係ない。
あなたに頂いたあの日の言葉をそっくりお返しします。
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