でさ、約束した日に
指定されたところに行ったらさ、
お父さんいつもは
顔も話し方も怖いんだけど、
その日はすごく大人しく小さな声で、
娘さんが生まれた日の話、
小学校の運動会で張り切ったら
「お父さん恥ずかしい」
と言われた話。
中学の頃は話し掛けてもろくに
答えてくれなかったのに、
娘さんが修学旅行から
帰ってきた日に仕事から帰ったら、
テーブルにお土産の
携帯ストラップが置いてあって
本当に嬉しくて今でも付けてること、
「結婚したい人がいる。」
と初めて言われた日のこと…。
色々話してくれました。
「娘が本当に可愛い。
娘が選んだ男に間違いはないと思ってる。
でも気持ちの整理がつかない」
って。泣いたね、あれは。
最後にお父さん、恥ずかしそうに
「結婚式ってどんな服を着ればいいんだ?
もう何年も服を
買ってないからわからないんだ」って。
夜、娘さんに電話して
その日のことを話したら、
娘も新郎も号泣。私も号泣
数日後、
娘と私とお父さんとで
服を見に行ったよ。
で、結婚式は無事に開かれて大成功!
かと思ったんだけど、
ブーケトスで娘が
ブーケを投げない。
???
なにこっち向いて
きょろきょろしてるの?
と思ってたら娘、すたすたと歩いてきて
私に手渡しでブーケをくれたの。
まわりの人たちは拍手。
どうやらお2人とお父さんは結婚式に
至るまでのことや私のことを参列者に話してたみたい。
もう・・・本当にあれは嬉しかった。
涙が止まらなかった。
今でもあの時の体の震えと
彼女の笑顔が忘れられない。
正直、出過ぎた真似なんじゃないか?
とか
自分のやってることは正しいのか?
とか
考えてしまうこともあったんだけど、
たくさんの人が「いい結婚式だった」と
言ってくれたから良いや。
もうそれだけでいい。
今年、2人から
「赤ちゃん生まれました」
の年賀状が届いたよ。
赤ちゃんを抱いた
デレデレのお父様の写真付きで。
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