じいちゃんが出かけた。
もちろん玄関には「外には出ないこと」
それなのに、じいちゃんが戻ってきたら
ばあちゃんは家のすぐ前で
車に轢かれてしまっていた。
救急車で運ばれた。
じいちゃんが駆けつけると
待っていたかのように
じいちゃんの手を強く握って天国へ行った。
じいちゃんはとても悔やんだ。
家族全員も悔しかった。
今まで書いてあることは
必ず守ってたのに
なぜ家を出たんだろう・・・。
家族同然の付き合いをしていた
隣のおばちゃんが話をしてくれた。
事故の直前、急に雨が降ってきた。
おばちゃんは布団を取り込みに庭に出た。
すると、ばあちゃんが傘を持って
慌てて道路に出てきた。
ばあちゃんの病気を
おばちゃんは知ってたから心配になって
ばあちゃんの方へ向かったその時に事故が…
じいちゃんが勤めていた頃
ばあちゃんは雨が降ると
必ず駅までじいちゃんを迎えに行ってた。
ちょっとでも雨が降ると
必ず迎えに行ってた。
雨を見て、じいちゃんが家に居なくて
傘を持っていこうとしたのだろう。
それだけ、じいちゃんが好きだった。
じいちゃんもばあちゃんが好きだった。
じいちゃんもしばらくして
病気で天国へ行った。
ばあちゃんが持っていた傘と一緒に
お墓に眠っている。
じいちゃん、ばあちゃん達は
幸せだったんだろうな・・・。
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