ねぇねぇ、聞いてください。
行くあてもなくて公園のベンチでホットドッグ食ってたらちょっとくたびれた海老茶のスーツを来たおじいちゃんがとなりに座ったんですよ。しばらくすると口を開いて「お嬢さん今暇なのかい、話し相手になってくれないですかね」と。
暇だったので聞くことにしました。
ねぇねぇ、聞いてください。
行くあてもなくて公園のベンチでホットドッグ食ってたらちょっとくたびれた海老茶のスーツを来たおじいちゃんがとなりに座ったんですよ。しばらくすると口を開いて「お嬢さん今暇なのかい、話し相手になってくれないですかね」と。
暇だったので聞くことにしました。
「若い時に出前のバイトをしてて、ちょうど店の前に公園があった。だから外に出るとその公園のベンチがすぐ目に入るんだけど、そこ数日夕方になると20くらいの長い髪の女の人が、いつも紙袋からサンドイッチを出してそこで食べていたよ、今の貴方みたいにね。僕は凄くそれが気になってしまって、
reyrey25zell フォローする 2020-02-17 18:28:20だからあるとき店に戻る前になんとなく通りをまたいでよく見てみたんだ、するとその女の人は泣いていたんです。その日は夕方から雨が降るとテレビが言ってたから皆傘を持っていたんだけど、その人は紙袋ひとつしかもってなくて、「サンドイッチが濡れますよ」って僕は思わず話しかけたんです
reyrey25zell フォローする 2020-02-17 18:28:58で、続けざまに「毎日泣いていたんですか」と聞いてしまったんです。すぐさま口を閉じたけれど。
本当に失礼なことを聞いてしまったのに、その人は気にもしないで「むしろ雨が降った方がいいです」と答え、とても愛していた人が交通事故で亡くなった、その日は雨の日だったと言いました。
彼女をバイクで家に送った帰り、雨の日の道路でスリップして、葬式にも呼んでもらえなかったと彼女は泣き出してしまって、僕は焦ってとっさに「素敵な顔が台無しになります」とか言いました。すると彼女は「あなたに私の何が分かるの、何も知らないくせに」と僕に似合いすぎた言葉を投げつけました
reyrey25zell フォローする 2020-02-17 18:29:58「わかりません、僕には何もわかりません、でもこの2週間と今僕にとってあなたがとても素敵なひとに見えたということだけは、そのことだけは無礼を承知で言わせて」と僕は返しました。今考えれば恥ずかしいですけど、彼女は泣きすぎてサンドイッチをへなへなにしてしまっていたから自転車に乗せて
reyrey25zell フォローする 2020-02-17 18:30:37バイト先の店で牛丼食べさせました。
女の人だったし牛丼って聞いてちょっと微妙な顔をしていたけどね、帰る時に彼女が「あなた素敵ね」って初めて笑ったから僕はその日眠れなかった
…なのに次の日から彼女は僕の働く店で牛丼を食べていくようになったんだ、本当に厄介な人だ、それが妻だったんだ
もう家で一人になってしまってから2年経つけれど、小説になりそうな話と思ったら言い過ぎかな、お嬢さんが家内そっくりでね…話しすぎてしまったね、ありがとう」
そのおじいちゃんは先に立ち上がってどっか行っちゃったけど私あまりの尊さと衝撃に冷めまくったホットドッグ持って硬直してたの
これまじ、昼過ぎの新宿の話
誤字とうろおぼえ駄文なのは許して、本当に素敵なおじいちゃんだった
牛丼食べに行こうって私の晩御飯も決まったし、今日はとても素敵な日だった
でも、店が目の前にあったのになんで自転車を押して一緒に歩くんじゃなくて乗せてったのか、すぐさまこの人を連れていこうと本当に焦ってたんだなあって牛丼食べながら思いました
最後らへんで『2週間』って知ってめっちゃ見てんじゃん惚れてんじゃん…やば…あと3杯飯食える……
@reyrey25zell なんかすごい銀魂の泣ける話に出てきそうなほどすご、、、
mgjwpt フォローする 2020-02-17 22:43:07@reyrey25zell 奥さんに交通事故で亡くなった彼が送った最後のプレゼントがその人なのかもしれませんね。素敵な夫婦だったんだろうな?
171004_oO フォローする 2020-02-17 22:56:55@reyrey25zell 何より、一度愛する人を失った女性が、最期は愛する人に見送って貰えたのだなと、そう思うと涙腺が…。良いお話をありがとうございます。
hukamisinji フォローする 2020-02-18 05:44:29@reyrey25zell おじいちゃんはホットドッグを食べる貴女の姿を見た瞬間、亡くなった奥さんの若かりし姿をまざまざと思い出したに違いありません(サンドウィッチとホットドッグの違いはあれども)
人皆それぞれに物語はあるもので、その美しい記憶が今目の前に再び現れたなら、誰しも思わず近寄ってしまうでしょう。
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