出典: static.pulse.ng
出典: static.pulse.ng
チェコ1部リーグの試合で、トーゴ代表FWのフランシス・コネ選手は、敵チームのファンに人種差別的な言葉を浴びせられながらも、命の危険にさらされた相手GKを救いました。
その英雄的な行動がとても素晴らしいとネットで話題になっているので紹介します。
2月25日に行われたボヘミアンズ・プラハ1905対FCスロバーツコの一戦。
トーゴ代表のコネ選手には人種差別的な言葉が浴びせられていました。
観客の一人はこのように語っています。
「自分の隣には2人の男がいた。彼らは人種差別主義者で、言葉も…(差別的な)ふざけた内容だった」
スポーツの試合でもまだまだこのような差別は繰り返されているようです。
しかし、ある試合中のアクシデントが彼を英雄へと一転させました。
そのアクシデントは前半30分に起こりました。
ロングパスを処理するため前に飛び出したボヘミアンズのGKマーティン・バーコベック選手は、猛スピードで同じくボールを追いかけてきた味方DFのダニエル・クルチ選手と激しく交錯。
プラハのスタジアムに集まった観客が恐ろしい光景を見守るなか、28歳のバーコベックは舌をのみ込んだ状態でピッチ上で意識不明となりました。
するとピッチ上に倒れ込んだバーコベック選手に対し、真っ先にその場で緊急処置を行ったのは、スロバーツコでプレーするストライカーのコネ選手でした。
AFPの取材に対して
「このプレーに関わっていたので、自分が近くにいた」
とコメントしたコネ選手は、審判に呼ばれたボヘミアンズの医療スタッフが現場に到着する前に、バーコベック選手の舌をどうにか抜き出すことに成功しました。
ボヘミアンズの広報担当者は、
「こうした事故は一刻を争う事態だ。もし舌をのみ込んで窒息し始めたら、脳が停止してしまう。だから可能な限り迅速に行動しなければならない」
と説明したうえで、
「きょうマーティンの容体が安定しているとすれば、それは大いにフランシスのおかげだ」と話しました。
バーコベック選手はその後、Facebookに
「迅速な対応で命を救ってくれたフランシス・コネに感謝したい。改めて、どうもありがとう」
とメッセージを投稿し、早速命の恩人との面会をセッティングしたことを明らかにしました。
スコアレスドローとなったその日の試合後、ボヘミアンズファンの一人はTwitterで、
「彼はきょう、大切なことを教えてくれた。それは自分だけじゃないと思う」
とコネ選手を称賛。
さらに当日スタンドにいた別のサポーターも、チームの公式ウェブサイトで、コネ選手の迅速な判断がいかに同クラブの熱狂的ファンに影響を与えたか証言しています。
別のサポーターは人種差別的な発言を繰り返した男性たちに関しても、
「男2人を含むスタジアム中が静まり返った。スコアなんてどうでもいいし、コーンはこれで大丈夫だろう。フランシス・コネが彼を助けた。ライバル?黒人?いや、同じ一人の人間だ!」
と証言しています。
コートジボワール東部で生まれたコネ選手は、母親側の国籍を選択し、トーゴ代表として2013年からプレーしています。
これまでのキャリアではさまざまなクラブを渡り歩いています。
「これは4度目の出来事だ。(こうした経験は)タイで1度、アフリカで2度あった」
と明かしたコネ選手は、
「いや、医学を学んだことはない」
と笑うと、
「こうした状況では、選手が舌をのみ込んでいないか常に確認するようにしている」と語りました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
素晴らしい判断ですね!
人種差別がこのような形でニュースに取り上げられ多くの人に知ってもらうことになるでしょう。
そして、このニュースがきっかけで少しでもこのような差別が撲滅する方向に進むことを願います。
コメント