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母親が家に男を連れ込み放置子だった私。そんな私を救ってくれたのはギャルだった・・・

良いお姉さんや・・・
2019/07/02 UPDATE
 
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母親が家に男を連れ込み放置子だった私。そんな私を救ってくれたのはギャルだった・・・

出会いが人を変えてくれるという言葉があります。

母親から放置され、お腹を空かせた私。

公園で会ったお姉さんの言葉に人生を大きく変えるエピソードをご紹介します。

私はいわゆる放置子だった。

お父さんは気が付いたらいなくなってて、お母さんとふたりで暮らしていた。

お母さんはだいたいいつもお酒臭くて、ときどき男の人を連れて帰ってきた。

男の人が来ているときは、雨でも夜中でも外に出されてつらいけど、

その後は、しばらくお母さんの機嫌が良くなるから助かってた。

小学三年生の冬、お母さんに彼氏ができた。

今までの男の人と違って、家に何回も出入りして、いる時間も長かった。

外に出される時間が多くなって、とても困った。

子供がいていい場所って案外ないんだよ。

特に夜中だと、すぐに大人に声をかけられて

「おうちは?おとなの人は一緒じゃないの?」

って聞かれる。最悪保護されて家に連絡される。

そうするとお母さんがとっても怒って三日くらい怖い。

結局、公園のすべりだいの中が夜中の居場所になった。

風がよけれて、人目につかなくて、トイレもある。

家を出されるときにちゃんと毛布と手袋を持っていくのがコツ。

できたら、なにかお菓子やパンをもらって出ていく。

ちょっとづつかじって食べると時間がつぶれて楽。

そうやってやってたんだけど、ある日いろいろ失敗した。

まず、その日は学校の帰りに雨が降って、手袋と靴が湿ってた。

そして、家を出されるときにお母さんを怒らせた。お菓子もなし。

その日は家に食べていいものがなかったから、おなかがすごくすいていた。

いつもみたいにすべりだいの中にいたんだけど

靴が湿っててどんどん冷えるし、手袋も同じだし、おなかすいたし

ほんと今日はつらいなぁってぼーっとしてたら

なんかめっちゃテンション高い歌声が聞こえてきた。

椎名林檎の曲を熱唱しながらやってきたのは、超派手なお姉ちゃんだった。

原色と黒の、ラメ入りでファーつきの服、ギャルメイク。

コンビニ袋を持ってふらふらっと歩いてきて、近くのベンチにあぐらかいて座った。

そして、コンビニ袋からおでん出して食べはじめた。

それがすごくあったかくておいしそうで、思わず滑り台の中から出て行っちゃったのね。

もちろんお姉ちゃんと目があって

「あ、ヤバい」

って思ったけどお姉ちゃんは怖い人じゃなかった。

「あんた、お腹すいてんの?」

って聞かれてうなずいたら、ふーん、と、ほー、の混ざったみたいな声だして

「ちょっと待ってな。あ、そのおでん食うなよマジで」

って言い残して、食べかけおでん置いて、またふらふらっと公演を出て行った。

戻ってきたお姉ちゃんは、両手にコンビニ袋を持っていた。

それで、おつゆたっぷりの、てんこ盛りのおでんをくれた。

かぶりつこうとした私をちょっと止めて

「まずちょっとおつゆ飲みな。いきなり具から食ったらゲロってもったいないよ」

と教えてくれた。

お姉ちゃんと並んでおでんを食べた。

お姉ちゃんは

「あんた、親に家追い出されたんでしょ。いつまで入れてもらえないの?」

ってずばっと言ってきたのでびっくりした。

大人はみんな「おうちは?おかあさんは?」って聞いてくるのに。

お母さんと彼氏が寝ちゃったらこっそり帰れるって言ったら

「じゃあまだかかるじゃん、これかぶってな。あげる」

ってコンビニ袋からニットキャップ出してかぶせてくれた。

お姉ちゃんは、お酒と香水の匂いがして、ちょっとお母さんが優しいときみたいだった

そして、コンビニ袋からお酒を出して、飲みながらいろいろ教えてくれた。

頭と首をあったかくするのが大事だから、タオルでいいからかぶれ。巻け。

自販機の下には小銭が落ちてるから、棒でガサガサして集める。

小銭集めたら、無駄遣いせずに隠して貯めて、こういう困った時に使う。

隠し場所はいくつか作って、分けて貯める。

おっさんに声をかけられたら逃げろ。ヤバい。

お金くれるっていうおっさんは一番ヤバい。絶対に受け取るな。逃げろ。

お金がどんなに欲しいときでもダメ。割が合わないくらい嫌なことをされる。

ママの彼氏にも気を付けろ。あんたとふたりきりになりたがるやつはヤバい。

「あんたのママは、ママやるのに向いてないのにママになっちゃった。

だからいっぱいいっぱいで、よそのママみたいにはできないわけ。

あんたがママを好きなのはしょうがないけどさ、でもさ、なんも返ってこないよ。

なるべく早く大人になって家を出な。自分のこと全部自分で決めるの、ちょー楽しいよ」

最後にお姉ちゃんはそう言って、

コンビニ袋に残ってたお菓子を丸ごとくれて帰っていった。

ヘンテコなお姉ちゃんの存在も、教えてもらったことも

お母さんからは何も返ってこないって言い切られたことも

家を出たら楽しいらしいというのも、なにもかも衝撃だった。

お姉ちゃんのお言葉どうり、お母さんからは何も返ってこなかった。

今は家を出て、自分のことを全部自分で決めている。

お姉ちゃんの言ったとうり、ちょー楽しい。



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