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「ぼくを変えた離婚」~号泣したあの日から学んだこと~

2017/02/21 UPDATE
 
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出典元:wol.jw.org



「離婚しよう」

結婚してからの彼女が重くなり、離れたくなった。

これまで7年も一緒にいたのに、初めて湧いた感情だった。

結婚しても何一つ変わらないと思っていたのに、ほんのちょっとの環境の変化で変わった自分と彼女の思いが合わなくなってしまった。

1ヶ月の別居期間を経て、彼女は離婚に同意してくれた。

その一報を聞いた後、ひとり大声をあげて泣いた。

望んでいた離婚なのに、こみ上げてくる感情を整理できないまま、号泣した。

大人になってこれだけ泣くのは初めてかもしれない──冷静に思いながらも涙は止まらなかった。

翌日、彼女は戻ってきて、離婚についての手続きを淡々と始めた。

離婚の日付は?

家具はどうする?

貯金は?

ほとんど彼女の希望を優先した。

書類上の離婚と、彼女の引っ越す日が同じになった。

彼女が気を使い、平日の日中に引っ越しを終えて出て行った。

お別れの儀式的なものもなく、あっけなく7年の交際と1年の結婚生活は終了した。
 
 
 
離婚して彼女が出て行った頃、ちょうどプロジェクトが大詰めを迎えていたときだった。

朝出ていったときのままの部屋に夜遅く帰宅すると、より一層、大きな疲れを感じた。

そして、誰かいるはずなのにいない、歯抜けになった家具が離婚の現実を突き付ける。

本当に離婚してしまったんだ、と。

いつも心のどこかに彼女がいて、なんとなく体の一部になっていた。

離婚をして、その体の一部が大きくえぐり取られた、そんな感覚。

自分が思っていた、悠々自適な独身生活とはかけ離れた、深い深いどん底の中だった。
 
 
 
失意のなか、無情にもプロジェクトに大きなアクシデントが発生する。

どうしようも手立てがなく、途方に暮れていたころ、上司があっというまに片付けてくれた。

単純にプロジェクトを縮小し、迷惑をかけてしまった関係会社に頭を下げてくれたのである。

これまで自分の力だけでやってきた自負があり、こうやって助けてくれるなんて想像もしていなかった。

会社には損害を与えてしまったけど、「これも会社のノウハウになるから気にするな」の一言に救われた。

他にもたくさんの同僚に助けられ、徐々に充実した生活へと戻っていく感覚を感じていた。

(余談ではあるが、離婚してからまったくモテなくなってしまった。

おそらくは心の余裕を見せられず、切羽詰っているように見えたのだと思う)
 
 
 
それから1年ほど経った頃。

プロジェクトを救ってくれた上司と飲んでいたときに言われた。

「離婚したとき、プロジェクトが失敗したときから、おまえは変わったね、人の痛みがわかる人間になったと思う」

これまで働きながら学校に通っていたこと、仕事も(アクシデントがなければ)自分の力でやってきたこと……その経験で自信を得ていたからか、人に厳しくあたることが多かったけれど、離婚を経験したことで、その態度が変わっていたようだ。

離婚して良かったと思ったことはない。

ただ、あの離婚の経験を経たからこそ、

彼女は最後に自分を大人にしてくれたんだと思う。

あのまま離婚しなければどうなっていたんだろう。

仕事も順調だったらどうなっていたんだろう。

25歳で経験したことが、いまにつながっている。

あの出来事、そして彼女に感謝して、今日もこれからも生きていく。

その後、風の噂で彼女が再婚し、子どもをもうけたと聞いて、心からうれしかったことを覚えている。

出典元:p-dress.jp




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